​北海道・ニセコでの長期滞在記

高&吳 夫妻  2016年8月

日本が私を呼んでいる!

まず最初に私自身について紹介しましょう。私はアメリカのイリノイ大学及び台湾の台湾大学にて機械工学の教授を務めています。夏休みになると世界各地を妻と旅行するのが楽しみです。今まではヨーロッパ諸国へと旅することが多かったのですが、昨年はちょうど東京で学会があった為に日本で2週間過ごしました。この2週間の日本滞在の後、長い間忘れていた日本文化への興味関心が沸き起こり、もっと早くに日本語を勉強していれば良かった!と強く思いました。

さて、どこに滞在するか!?

まず最初に私自身について紹介しましょう。私はアメリカのイリノイ大学及び台湾の台湾大学にて機械工学の教授を務めています。夏休みになると世界各地を妻と旅行するのが楽しみです。今まではヨーロッパ諸国へと旅することが多かったのですが、昨年はちょうど東京で学会があった為に日本で2週間過ごしました。この2週間の日本滞在の後、長い間忘れていた日本文化への興味関心が沸き起こり、もっと早くに日本語を勉強していれば良かった!と強く思いました。

さて、どこに滞在するか!?

日本での2週間の滞在から帰国後、私はすぐに日本での長期滞在先を探し始めました。私たち夫婦にとっては何よりも台湾の夏の暑さから逃れたかったし、日本語や日本の文化について学びたいという気持ちが非常に強かったのです。

こういった気持ちを胸に、私は日本から来ていた生徒たちに「日本で数か月過ごすならどこが良いか?」と聞いて回りました。生徒たちからは札幌や東京という大都市を薦めてきました。ですが、それらは私たち夫婦が思い描いているものとは違いました。大都市では家賃は高く、気候も台湾の夏の暑さと近いものがあります。なので私は、私自身で調べ始めました。「北海道、ロングステイ」とキーワードを打ち込んで検索してみました。その検索結果はほとんどが日本人で定年を迎えた方向けの情報や、私のような外国人に向けてのものでした。

それはそれで助かる情報だったのですが、日々のコミュニケーションに困るような生活は送りたくなかったので、検索に出てきた「北海道観光振興機構」へ問い合わせてみました。すると彼らは「ニセコはどうでしょう?」と提案してくれ、さらにいくつかの宿泊先も紹介してくれました。彼らがニセコを薦める理由を聞いてみたら「理由は二つあります。一つはニセコには外国人が多く居住しているという点。もう一つは夏季に長期滞在される方が多いからです」との答えが返ってきました。

私は仕事柄か、自分でも調べ物をするのが苦にならないので、次に「ニセコ」について調べ始めました。調べ始めてすぐにニセコは世界的にスキーで有名なリゾート地であることが分かりました。冬と比べると夏はそこまでの賑わいはない、けれどもその自然環境や気候から多くの日本人が避暑目的でニセコを訪れていることも分かりました。その後も色々と下調べをした結果、私は「よし、ニセコこそ私たち夫婦にぴったりだ!」と思うに至りました。

私たち夫婦の避暑滞在先にニセコを決めた後、私たちがしたことは宿泊先の選定でした。北海道観光振興機構に勧められた三つの宿泊先に加え、私が独自に調べた50以上の宿泊先を比較検討し・・・木ニセコ、へと決めました。

その理由は;

1. 2014年冬に開業、ニセコエリアではまだ新しさの残る施設である

2. 1ベッドルーム客室のキッチン設備が長期滞在するのにちょうど良い

3. 羊蹄山側の部屋からは「蝦夷富士」として名高い羊蹄山を一日中眺めていられる

4. 宿泊客が無料で利用できる内風呂・露天風呂がある(これの重要さは後述します)

5. 木ニセコのスタッフは全員、英語を話せる

6. 夏の長期滞在は朝食がついてくる(早期予約の特典として。早く予約するに越したことはない!)

7. 近くの倶知安市街への無料送迎がある。これのお陰で日々の食材の買い物が楽にできた。

8. ニセコにとっての閑散期にあたるため、夏の長期滞在は価格的にお得だった!

宿泊先が決まったところで、次に私が検討し始めたのは「どうやったらニセコ滞在中に日本語を習うことができるか」という点です。木ニセコにこのことを何気なく聞いてみたら、なんと驚くべきことにすぐに回答が来ました!外国人が多くいる地域だけに、日本人と外国人の交流も多く、日本語を教えているベイリー夫妻についても知ることができました。

​ニセコ生活1か月目:学生時代よ再び!

私たち夫婦が念願のニセコ生活を始めたのは6月4日のことでした。最初の一か月は日本語を勉強することに専念しよう、と夫婦で決めました。週三回、ベイリーよしこさんの1時間日本語レッスンを受け、レッスン後は木ニセコの自室で復習し、宿題にとりかかりました。レッスンがない日は近隣を散歩したりして、ニセコの美しい自然を満喫しました。時には木ニセコの無料送迎を利用して、倶知安の街中へと買い物へでかけ、地元の人々が暮らすように私たちも生活しました。

そんな日々の中、私にとってとてもありがたかったのは木ニセコの温泉です。我ながら驚いたのですが、温泉入浴は睡眠の質を上げるのにとても効果がありました。私は日々の運動量や睡眠状態を記録する装置を常に身に着けています。ニセコ生活を始める前の私の睡眠は、8時間の睡眠時間の50%が深い睡眠、50%が浅い睡眠でした。それがニセコに来て、日常的に温泉に入るようになったら、深い睡眠の割合が70%~80%へと上がりました!

前述しましたが、私たち夫婦が滞在先に木ニセコを選んだ理由の一つに、倶知安の街への無料シャトルバスがあります。時刻表に沿って運行しているシャトルバスですが、私たちが滞在していたのが閑散期にあたることもあり、木ニセコのスタッフはバスの運行を非常に柔軟に行ってくれました。おかげで夕飯の支度をする時間に合わせて倶知安町のスーパーへと私たちを連れて行ってくれました。

こうして私たちのニセコ生活の最初の一か月は日本語レッスン、自然の中でのお散歩、温泉を満喫、そして日本のテレビ放送を楽しんでいるうちにあっという間に過ぎていきました。毎朝、とても心地よい気持ちで目覚めることができ、木ニセコのロビー隣にある「杏ダイニング」での美味しい朝食で一日を始めることができました。

​ニセコ生活2か月目:北海道探索!

みっちりと日本語を勉強した最初の一か月が過ぎ、アメリカに住む娘夫婦が私たちを訪ねに来てくれました。彼女たちが来てくれたので、週末はレンタカーで北海道各地の美しい風景を見てまわり、各地の美味しいものを食べて回りました。平日にはちゃんと日本語レッスンも継続して受けました!

私たちが探索した北海道の各地には、洞爺湖、支笏湖、小樽、神威岬、それに積丹半島があげられます。また、あまり観光客が訪れないという岩内町や京極町も訪れ、京極名物の「しゃっこい祭り」へも参加しました。「しゃっこい」は北海道の方言で「冷たい水」を意味するそうです。

私が今回の長期滞在で学んだこと

もし私の友人が私に「今回の夏のニセコ滞在でもっとも印象に残ったことは?」と聞かれたら、私は素直に「滞在中に交流した人々」と答えます。

最初の日本語レッスンの日からベイリー夫妻は私たちにとっても親切に接してくれました。ベイリー夫妻は自身のお友達を私たちに紹介してくれたので、私たちの交友範囲もとっても広がりました!そのおかげで、地元の人々の日々の生活について知ることもできましたし、日本の政治や経済、ニセコエリアの様々な事柄について学ぶことができました。

木ニセコでの二か月間の滞在を通じて、木ニセコのスタッフは私たちにとっての「第二の家族」となりました。木ニセコのスタッフが私たちに対して特に親切だったわけではなく、滞在中の全てのゲストへ、それぞれの滞在が満足いくものになるよう気をつかってくれていました。

また、木ニセコに滞在している他のお客様とも仲良くなることが出来ました。違う宿泊施設に滞在している方と交流する機会も複数あり、私たち夫婦が参加した二つのイベントにはそれぞれ100名以上の参加者がいました。それらイベントで知り合った方と文通もしています。彼らは英語の練習で手紙を私たちに書き、私たちは日本語で返事を書いています!

旅行先で出会う人すべてがとても丁寧で親切に私たちに接してくれました。私たちが外食しに行くのも、新たな友人をつくるには良い機会でした。滞在中に頻繁に訪れた居酒屋に「えびす亭」という居酒屋があります。私たちが頑張って日本語で注文をすると、えびす亭のスタッフが「おすすめはこれです」「次はこれを」と色々とおすすめしてくれました。えびす亭で楽しく過ごした時間は忘れることができません。

​美食!美食!そして美食!

ニセコエリアにはとても美味しいレストランが多数あり、またそれらレストランは意外とリーズナブルな料金で満足いく食事ができます。私たち夫婦が好んだのはえびす亭のほかにお寿司屋さんの「花吉」だったり焼き鳥屋さんの「鳥松」があります。見た目こそ素朴ですが、値段もとても良心的で、後で木ニセコのスタッフに聞いたら、それぞれとっても人気のあるところだとのこと!道理でいついっても行っても混んでいるわけです。

これら以外にも、お蕎麦やうどんで有名なニセコエリアには「寳月」そして「雪庭」といった美食レストランが多数あります!

また会おう!

少々恥ずかしい話なのですが、もう長年、私は血圧が140前後でした。私の年齢でこの血圧は平均よりも高く、注意をしなければいけません。それがニセコで二か月過ごした後、血圧が120前後まで下がっていたのです!なんでそんなに血圧が下がったのか?私にもはっきりとした理由は分かりません。豊かな自然のお陰なのか、美味しくて健康的な食事のお陰なのか?それともあらゆる要素が組み合わさった結果なのか?どうなんでしょうね。この二か月間を通じて、私たちは心身ともに健康になっただけではなく、日本という国とその文化、言葉への興味関心も深まりました。ニセコを離れはしましたが、日本語の勉強は続けています!

次はいつニセコにいくか?もう決まっています。来年の夏です。もっともっと日本語も勉強したいですし、今年の夏に出会えた友人たちとの再会も楽しみです。また、まだ探索できていない北海道の各地へも足を延ばしたいと思います!